○下松市消防救急業務規程

平成30年10月1日

消防訓令第6号

下松市救急業務規程(平成24年下松市消防訓令第4号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)の規定に基づき、救急業務に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 法第2条第9項に規定する救急業務をいう。

(2) 救急事故 法第2条第9項及び消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第42条に規定する救急業務の対象となる事故をいう。

(3) 救急活動 救急業務を行うための活動及び医師搬送又は医療用資器材を輸送する活動で、救急隊の出動から帰署までの一連の活動をいう。

(4) 救急現場 救急活動の対象となる傷病者のいる場所をいう。

(5) 医療機関 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院及び診療所をいう。

(6) 転院搬送 現に医療機関に収容されている傷病者を、当該収容医療機関の要請により他の医療機関に搬送することをいう。

(7) 救急資器材 救急自動車に備える搬送用、呼吸循環管理用、創傷保護用、消毒用等の資器材その他救急業務を行うために必要な資器材をいう。

(8) 救急救命士 救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。

(9) 救急救命処置 救急救命士法に定めるところにより、その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(以下「重度傷病者」という。)が医療機関に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対して行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。

(救急業務の管理責任)

第3条 下松市消防長(以下「消防長」という。)は、この訓令の定めるところにより救急業務を統括するものとする。

2 消防署長(以下「署長」という。)は、この訓令の定めるところにより所属職員を指揮監督し、救急業務の円滑な運営に努めなければならない。

(関係機関との連携)

第4条 消防長は、医療機関等救急業務に関係のある機関(以下「関係機関」という。)と密接な連携を図り、救急業務の効率的な運営に努めなければならない。

2 救急救命士は、救急救命処置の実施に関し、救急救命士法第44条の規定に基づく具体的指示を行う医師又は医療機関と密接な連絡をとらなければならない。

(救急隊の編成)

第5条 救急隊は、救急自動車1台につき救急隊員(以下「隊員」という。)3人をもって編成する。ただし、転院搬送又は救急救命処置を必要とする場合の救急活動においては調整して編成することができる。

2 救急隊は、救急救命士及び隊員の資格を有する者で編成するものとする。

(隊員の資格等)

第6条 前条第2項に規定する隊員の資格を有する者とは、政令第44条第5項に規定する者をいう。

(隊員の任務)

第7条 隊員は、救急現場の状況を把握し、適正な救急活動を実施しなければならない。

(隊長)

第8条 救急隊に救急隊長(以下「隊長」という。)を置く。

2 隊長は、上司の指揮監督を受け、救急隊の隊務を統括する。

3 隊長は、消防士長以上の階級にある者をもって充てるものとする。

(隊員の服装)

第9条 隊員は、救急業務を実施する場合は、感染防止衣を着用するものとする。ただし、安全を確保するため必要があるときは、作業帽に代えて保安帽を着用するものとする。

(教育訓練)

第10条 消防長又は署長は、隊員に対し、救急業務の実施の際に必要な学術及び技能を習得させるため、常に教育訓練を行うよう努めなければならない。

(救急隊の出動)

第11条 署長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該事故の発生場所、傷病者の数、傷病の程度等を確認し、直ちに救急隊を出動させなければならない。

(口頭指導)

第12条 署長は、救急要請時に、指令係又は現場出動途上の救急自動車から救急現場付近にある者に対し、電話等により応急手当の協力を要請し、その方法を指導するよう努めなければならない。

(救急隊への支援出動)

第13条 署長は、救急現場において、安全で迅速な救急活動を図り、傷病者の容体悪化の軽減、救命率の向上のため、必要に応じて支援隊を組織し出動させるものとする。

(救急活動の原則)

第14条 救急活動は、救命を主眼とし、傷病者の観察及び必要な応急処置を行い、速やかに医療機関に搬送しなければならない。

(観察及び応急処置の実施)

第15条 傷病者に対する観察及び応急処置は、隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)の規定に基づき的確に行うものとする。

2 救急救命士が行う救急救命処置にあっては、救急救命士法の定めるところによる。

(搬送を拒んだ者の取扱い)

第16条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとし、原則として不搬送の理由を明らかにするため救急車不搬送の同意書(別記第1号様式)により本人又は関係者に署名を求めるものとする。

(医療機関への搬送)

第17条 隊員は、傷病者の搬送に当たっては、指令係と連携を密にし、原則として救急医療機関へ搬送しなければならない。ただし、傷病者又は家族からの連絡により救急医療機関以外の受入医療機関が確保されている場合は、確認の上、当該医療機関へ搬送することができるものとする。

(傷病者の搬送)

第18条 隊員は、傷病者の搬送に当たっては、適切かつ安全な方法で搬送しなければならない。なお、傷病者が複数の場合は、症状が重いと認めたものを優先しなければならない。

(傷病者の搬送制限)

第19条 隊員は、傷病者が「救急現場社会死の判断基準」の規定により明らかに死亡していると認められる場合又は医師が死亡していると診断した場合は、搬送しないものとする。

2 隊員は、傷病者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)第6条に規定する1類感染症、2類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症の一部で感染症法第21条の規定が準用される感染症(以下「感染症」という。)であると判断され、都道府県知事が入院を勧告し、又は命令した患者の場合は、原則として搬送しないものとする。

3 署長は、搬送した傷病者が感染症にり患していた場合又はり患の疑いがある場合は、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、消防長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、隊員に健康診断を受診させる等の必要な措置を講じなければならない。

4 署長は、搬送した傷病者が前項に規定する医師による診断の結果により感染症患者であると判明した場合は、速やかに消防長に報告するとともに、当該救急事故等の発生した場所を管轄する保健所に通報し、必要な指示を受けなければならない。

(消防防災ヘリコプター等の要請)

第20条 消防長は、交通遠隔地(島、山村等をいう。)から傷病者を搬送する場合、遠隔地の医療機関に緊急に搬送する必要がある場合又は救急活動上、特にヘリコプターによる活動が有用と認められる場合は、山口県総務部防災危機管理課長に対し、消防防災ヘリコプター等の出動を要請することができる。

(ドクターヘリコプター等の要請)

第21条 消防長は、交通遠隔地から傷病者を搬送する場合、遠隔地の医療機関に緊急に搬送する必要がある場合又は救急活動に医師を必要とし、特にヘリコプターによる活動が有用と認められる場合は、山口大学医学部附属病院に対し、ドクターヘリコプター等の出動を要請することができる。

(転院搬送)

第22条 転院搬送は、現に傷病者を収容している医療機関の医師からの要請で行うものとする。

2 署長は、転院搬送を行う場合は、当該医療機関の医師、看護師その他の医療関係者(以下「医師等」という。)の同乗を求めなければならない。ただし、医療機関からの転院搬送で、医師が搬送途上における生命及び症状の悪化の危険がないと認め、家族の同意を得ている場合は、この限りでない。

(医師等の戻り搬送)

第23条 救急自動車に同乗し、救急業務に従事した医師等の所属医療機関への戻り搬送については、当該医師等の要請がある場合に限り行うものとする。

(関係者の同乗)

第24条 隊員は、救急業務の実施に際し、傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、努めてこれに応じるものとする。

(医療機関への引継ぎ)

第25条 隊員は、傷病者を医療機関へ引き継ぐときは、必要な事項を医師等へ確実に申し送るとともに、当該事実を確認する医師、看護師の署名又は捺印を受けるよう努めなければならない。

(関係機関への通報)

第26条 署長による関係機関への通報は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に掲げる者に対し、速やかに行わなければならない。

(1) 第19条第1項に掲げる状況において現場に警察官が不在の場合 当該事故発生地を管轄する警察署長

(2) 第19条第2項に規定する場合 当該地域を管轄する保健所長

(3) 傷病の原因に犯罪の疑いがあると認められる場合及び自損行為、交通事故等で現場に警察官が不在の場合 当該地域を管轄する警察署長

(4) 労働災害と認められる場合 当該地域を管轄する労働基準監督署長及び警察署長

(5) 行旅病人と認められる場合 当該事故発生地を管轄する福祉事務所長及び警察署長

(6) 海難事故と認められる場合 当該地域を管轄する海上保安部長及び警察署長

(安全管理)

第27条 消防長は、救急業務に係る救急活動の実施に当たっては、下松市消防安全管理規程(平成16年下松市消防訓令第1号)の規定により、隊員の安全管理に十分配慮しなければならない。

(救急調査)

第28条 消防長は、救急業務を円滑に処理するため必要があると認めるときは、次に定める事項について調査するものとする。

(1) 管轄区域の地勢及び交通の状況

(2) 救急事故が発生するおそれのある対象物の位置及び構造

(3) 医療機関等の位置

(4) その他消防長が必要と認める事項

(救急情報及び資料の収集)

第29条 署長は、救急業務に関する情報及び資料の収集を行い、これを整理し、救急業務に反映させるよう努めなければならない。

(消毒及び記録)

第30条 消防長は、次に定めるところにより、救急自動車及び積載品の消毒及び滅菌を行わなければならない。

(1) 定期消毒 月2回

(2) 使用後消毒 毎使用後必要に応じて行う消毒

2 隊員は、前項に定める消毒を実施したときは、消毒実施記録簿(別記第2号様式)に記録しなければならない。

(救急資器材の配備及び管理)

第31条 署長は、救急資器材の需要状況を把握し、適正な配備により救急資器材の効果的な活用を図るため、常に点検及び整備をし、別に定める区分及び方法により消毒を実施しなければならない。

(救急活動記録)

第32条 隊員は、救急活動を行った場合は、救急出動報告書(別記第3号様式)を作成し、消防長に報告しなければならない。

2 救急救命士は、救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号)第21条に規定する救急救命処置を行った場合は、救急救命処置録(別記第4号様式)及び事後検証票(別記第5号様式)により遅滞なく消防長に報告しなければならない。

(救急出動報告等)

第33条 署長は、当月の救急業務について、翌月5日までに救急月報(別記第6号様式)を作成し、消防長に報告しなければならない。

2 消防長は、火災・災害等即報要領(昭和59年10月15日付け消防災第267号消防長長官通知。以下「要領」という。)の規定に該当する事故が発生した場合は、救急即報(別記第7号様式)により県に報告し、要領第3に規定する直接即報基準に該当した場合は、国に直接報告しなければならない。

(予防救急)

第34条 消防長は、住民に対する応急手当の普及啓発活動を計画的に推進するとともに、救急自動車の適正利用及び救急事故等の未然防止を主眼とした予防広報に努めなければならない。

(応急手当講習)

第35条 消防長は、住民等に対し、傷病者を応急に救護するために必要な知識及び技術の普及のため、別に定める応急手当講習を行うものとする。

(救急搬送証明)

第36条 傷病者搬送証明発行の申出があった場合は、救急出動報告書により確認し、立証し得る傷病者の搬送事実について、救急搬送証明書(別記第8号様式)を交付するものとする。

(体験同乗研修)

第37条 消防長は、他の市町村消防職員、医療従事者等が救急業務に関する実務体験又は研修のため救急自動車に同乗を希望するときは、救急自動車同乗申請書(別記第9号様式)を提出させ、承認するときは、救急自動車同乗承認書(別記第10号様式)を交付するものとする。

(その他)

第38条 この訓令に定めるもののほか、救急業務に関し必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、平成30年10月1日から施行する。

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下松市消防救急業務規程

平成30年10月1日 消防訓令第6号

(平成30年10月1日施行)

体系情報
第11類 消防及び災害対策
沿革情報
平成30年10月1日 消防訓令第6号